fuu Oimachi by LATIERRA

ビルディングタイプ
共同住宅・集合住宅・寮

DATA

CREDIT

  • 撮影
    kenya Chiba
  • 設計
    R/URBAN DESIGN OFFICE
  • 担当者
    雨宮知彦 / 岩﨑海
  • 施工
    エイムズ株式会社
  • 家具制作
    大原温/camp
  • ファブリック制作
    金澤里子/株式会社ケーエヌケー
  • 事業主
    東京ガス不動産株式会社

築35年、SRC造9階建て集合住宅の1棟フルリノベーションプロジェクト。弊社で、1階共用部の設計を担当した。 東京都大井町駅から徒歩7-8分ほどの交差点角地という好立地の視認性の高さを活かし、1 階共用部を開放的に街とつながる空間として再編。20 ㎡前後の上階専有部との組み合わせから、新たな都市居住のスタイルを模索した。 ■既存ストックの型を読み、都市居住の新たな型を構想する 本プロジェクトは、1991 年竣工の女子社員寮を、現代の都市生活に即した集合住宅へと再生させる試みである。既存建物は、1 階の管理・共用部門と、2 階以上の20 ㎡前後の個室群(計52 戸)で構成されていた。改修にあたっては、まず1 階の管理機能を解消して生まれた余白を、居住者のための+αのラウンジへと転換した。ただし、各住戸が水回りを完備可能という専有部の特徴を肯定的に捉え、自律的な居住スタイルを前提とし、必ずしも「シェア」を強制しない共用部の在り方を追求した。個のプライバシーを確保しつつ、豊かな共用空間も享受できるこの構成は、既存建物の型から導き出された必然的かつ固有な回答であるが、今後の都市型ライフスタイルの汎用的なプロトタイプとなり得るのではないか。 ■「あたたかい孤独」のための場所 人口の集積する大都市で、常に社会的な繋がりを求められる現代人にとって、一人で自分と向き合う時間は、精神的な豊かさを担保する不可欠な要素である。そこで「Fuu Oimachi by LATIERRA」の共用部ではひとりでいられることを大事にした。しかしそれは、「隔絶された孤独」ではなく、他者の気配を緩やかに感じながら個としてくつろげる「あたたかい孤独」の場の創出である。コミュニティ形成を主目的とする従来のシェア空間とは一線を画し、一人でいられることの充足を肯定する、多様な居場所に満ちた空間を設計した。 ■ひとりでいられるための、非完全な空間 全てを設計者としてコントロールしきれないリノベーションであることを活かし、用途と空間が一対一対応しない「非完全な空間」がもたらす自由さを志向した。所与の寸法・テクスチャをもつコンクリート躯体と、不規則な形で挿入された木質の段床や壁面が重なり、平面・断面にさまざまな居場所が生まれる。居住者はその時々の気分や活動に応じて、「自分だけの定位置」を発見し、時には可動の家具を動かし、体をあずける。複雑な平面形状によって視線を自然に分散させることで、他者の存在を許容しながらも、個の領域を守りつつ深く沈潜できる場を構築した。 ■動線計画の再編による「滞留」と「流動」の調整 都市に対する建物の構えを再編することで、住環境の質的向上を図った。かつての大通りに面した玄関を、動線の末端となるよう裏手の通用口へと移設。これにより、ラウンジを通行のための通過点から、落ち着きのある滞留空間へと転換させた。一方で、旧玄関口の開口部は巨大なFIX 窓へと置き換え、都市との視覚的な接続を維持している。この開口部には時間や状況に応じて内外の透明度を繊細にコントロールできるように4 種類のテクスチャを掛け合わせたファブリックがかかり、「ひとり」と「みんな」が共存する「Fuu Oimachi by LATIERRA」の象徴的な風景を生み出している。

3

物件所在地

3