どんぐりの家

ビルディングタイプ
戸建住宅
3
278
日本 石川県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    済田稚博
  • 設計
    済田稚博
  • 担当者
    済田稚博
  • 施工
    済田稚博
  • 構造設計
    あさひ木材

どんぐりの家 ■ コンセプト 大地に低く構え、風景を迎え入れる。 小さく端正な実のような、時を紡ぐ住まい。 ひとつの小さな「どんぐり」が、周囲の豊かな山並みや林に、ひっそりと、しかし確かな存在感を持って転がっている。そんな自然界の慎ましやかな営みを、建築の佇まいに重ね合わせました。 目指したのは、周囲の環境を威圧するような大きな建築ではありません。 屋根の勾配を低く抑え、軒を深く美しく出すことで、あたかも昔からそこに建っていたかのように、大地の起伏や周囲の樹木と調和する「低く構えた佇まい」です。 一歩中に入れば、深い軒が生み出す柔らかな陰影が、室内に落ち着きとしじまをもたらします。 大きく開かれた開口部からは、庭の瑞々しい苔や木々、通り抜ける風、そして移ろう光が、遮られることなく室内の暮らしへと溶け込んでいく。 内部と外部が境界なくつながるその空間は、限られた床面積であっても、無限の広がりと心地よい開放感を感じさせてくれます。 職人の丁寧な手仕事によって削り出された美しい木の柱や梁、そして手触りのよい自然の素材。 それらは、歳月を重ねるごとに風合いを深め、住まい手の日々の営みを優しく包み込んでいきます。 小さな一粒の実が、ゆっくりと時間をかけて大地に根を張り、やがて風景の一部となる大樹へと育っていくように。 この住まいもまた、暮らしの時間を重ねるほどに土地に馴染み、家族の心豊かな記憶を育む「普遍の拠り所」となっていくのです。 ■ 建築の作法(意匠と設計の視点) 風景に寄り添う、低く美しいプロポーション 建物の高さを極力抑え、水平のラインを強調した美しい軒の出をつくります。日本の美しい木造建築が持っていた、大地に低く這うような安定感と端正さを現代の意匠に昇華させます。 陰影を愉しむ、光と影の設計 深い軒が直射日光を遮り、室内には反射した柔らかな間接光が満ちます。明暗のグラデーションが空間に奥行きを与え、住む人の心を静かに落ち着かせる「静謐な空間」を創り出します。 庭と響き合う、ウチとソトの境界 窓辺の意匠を極限までシンプルに収め、室内から庭へと視線が滑らかに抜けるよう設計します。障子を透過する光や、木製サッシ越しに眺める四季の移ろいが、そのままインテリアの一部となります。 素材の「素肌」を活かす手仕事 無垢の木、土、石。それぞれの素材が持つ本来の質感や手触りを、職人の確かな技で引き出します。作り込みすぎず、素材の力を信じて「引き算」の美学で仕立てられた空間は、時を経るほどに、美しく枯れて(経年美化して)いきます。 「深く張り出した軒の下、庭の木々と対話する。小さく建てて、風景とともに豊かにひらく暮らし。」

物件所在地

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