天城台の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    笹倉洋平
  • 設計
    バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
  • 担当者
    藤原昌彦
  • 施工
    株式会社バウムスタイルアーキテクト
  • 構造設計
    株式会社倉敷構造設計室

敷地は、少し高台の約40年間に開発された住宅街の一角にある。 南北に長く、道路より1mほど上がっており、東には景色の良い溜池が望める。 計画前の敷地には、以前住まれていた方の2階建ての住宅が建っており、この敷地や東側の眺望を活かせた住まいでは無かった。 クライアントは、50代のご夫婦と娘さんの3人家族で、心地よく穏やかに過ごす事の出来る平屋建ての住宅を望まれた。 敷地に立ったとき、東側の溜池へ開かれた風景に惹かれた。 この風景を暮らしの中へ取り込むために建物をL型としたが、その結果として東の風景と西の庭が分断されることになった。 私が考えたのは、それらを物理的につなぐことではなく、そのあいだに人が居られる場所をつくることであった。 主室は東の風景と西の庭のあいだに位置し、光や風、景色や時間が行き交う居場所となる。 私は、そのような場を「あわい」と呼んでいる。 「あわい」とは中間領域ではなく、人と風景の関係がゆっくりと移ろう場のことである。 車の駐車スペースとアプローチ、庭との関係性を明確に分けるのではなく、緩やかに繋がるように考えた。 敷地が道路から1m程度上がっていたこともあり、駐車スペースを確保するために敷地を少し掘り下げ、そこで出た土を盛り上げ築山とすることで緩やかに繋げた。屋外における「あわい」を創り出そうと試みた。 そうすることで機能を分離することなく、境界を曖昧につなぎながら、住まいへ向かう期待感を高めている。 「あわい」は単なる中間領域ではない。 人と風景、内と外、暮らしと時間を緩やかにつなぎ、その関係性を豊かにする場である。 天城台の家では、そのような「あわい」を住まいの随所に設えることで、風景と暮らしが静かに響き合う居場所をつくろうとした。

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