BotExpress山のオフィス

ビルディングタイプ
その他オフィス・企業施設

DATA

CREDIT

  • 撮影
    西川公朗
  • 設計
    津野建築設計室
  • 担当者
    津野恵美子
  • 施工
    スワテック建設
  • 構造設計
    鈴木啓/ASA
  • 照明設計
    コモレビデザイン
  • 家具製作
    scale

蓼科に建つワーケーションオフィスの計画である。ワークライフバランスが叫ばれて久しいが、「ワークとライフを切り分けるのではなく、人生の中で膨大な時間を占めるワークライフの質を上げたい」、「フルリモートで働く全国各地に住む社員達が、好きなときに好きなだけいて良くて、ここに来たら彼らの中の何かがスイッチするような場があるといい」というクライアントの理念からプロジェクトがスタートした。 敷地は小さな自然公園と小川に隣接した緩斜面のカラマツ林の一角にある。林というのは元来海や街と比べて、ポジティブ・ネガティブ共に強い指向性がない。林が持つある種の離散性に重ねて、ここに建つ建築は、大勢で集まるだけでなく、独立した個人が居合わせることができる、離散的な「居方」が可能な空間がふさわしいと考えた。 既存樹木の位置や地形の高低差から導き出された、三つの向きの箱と、五つのレベルの床を設定し、視点の対象や奥行にバリエーションが出るように開口の位置や大きさを決めつつ、全体をひとつにまとめるため同一勾配の一枚の平面でできた大屋根で覆う形式とした。全てを一目に見通せる場所も、他の気配を感じない場所もなく、歩を進めるごとに見える領域も死角も変化する、街路のような公共性を持つ空間を目指した。 この建築はオフィスでありながら、創造性を引き出すアトリエ、くつろげるセカンドハウスであり、みんなで集まる合宿所でもある。そんな一言でくくれない多義性が、新しい価値を生み出すきっかけになり、この場所と共にそれぞれのワークライフが、それぞれのあり方で彩られていくことを願っている。

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