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ラップトップひとつでどこでも仕事ができる時代、「滞在」と「生活」の境界は曖昧になってきている。宿泊施設もまた、そのあり方を更新すべき時が来ているのではないか。 沖縄県名護市に計画したこの宿泊施設は、「日常をリゾートで過ごす/集落のように泊まる」 というイメージから構想された。客室にこもるのではなく、ふと外に出て、誰かの気配や風の音に触れながら時間を過ごす。ホテルという極めてプライベートな建築類型を解きほどき、室内にも室外にも居場所があるような建築のあり方を考えた。 屋外の共用部には、ベンチや縁側のような小さな居場所がいくつも点在している。仕事をする場所、本を読む場所、昼寝をする場所、ただ風を感じる場所。使い方は決められておらず、それぞれが思い思いに場所を選び取っていく。ここにあるのは、特定の行為のための大きな広場ではなく、個人の時間を受け止める無数の小さな場所である。 「semilla」という名前は、villa(邸宅)とvillage(集落)の中間という意味を込めた。過度に閉じることもなく、過剰に誰かとつながることもない。その曖昧さが、軽やかで偶発的な関係を育む。新しい宿泊施設であると同時に、これからの公共空間のあり方を、集落という原初的な形式になぞらえながら提案した。

