House TN 抜けと境界

ビルディングタイプ
戸建住宅
1
121
日本 愛知県

DATA

CREDIT

  • 撮影
    植村崇史
  • 設計
    1-1Architects
  • 担当者
    神谷勇机 / 後藤唯 / 柴田和也
  • 施工
    株式会社 平田建築
  • 構造設計
    ワークショップ

市街化調整区域に位置する集落での住宅の計画。敷地周辺には大らかな平屋の農家住宅が多いが、立地のよさから近年細かく分筆され、分譲地や建売り住宅として販売される事例が増えている。それらは収益性と販売のし易さから建蔽率いっぱいに建て、内部をnLDKのnを増やすように分節される。これにより町は高密化し、採光通風条件が悪化し、人びとは過密で選択性のない不自由な内部に閉じ込められる。対象敷地も例に漏れず、もともと大きな平屋の農家住宅が建っていた土地を3分割した中央の分譲地であり、新しく建てられた両隣の住宅は敷地境界まで迫っていた。 計画当初は1階をセットバックし、隣家との間に外部空間を確保することも考えたが、グランドレベルの日照条件の悪さが懸念事項であった。そのため、基壇状に2階をセットバックさせ、開口でぐるりと囲むこととした。そうすることで、周辺環境の変化に影響されない明るい2階と大きな外部テラスをつくった。2階の床兼1階の天井は、2×4材のルーバーになっており、水平面剛性を取りながらの仕上げとしている。2階にたっぷり入る光や風がルーバー越しに緩やかに1階に届く。天井高さを低く抑え、床全面をひんやりと艶のある土間に設えた1階と、セットバックにより適度に町と離れながらも大きく開かれた明るい2階。住まい手は決められた部屋割りではなく、環境の異なるふたつのワンルームを行き来しながらその都度場所を選び、暮らしていく。 地上から少し離れた高さに空いたヴォイドが町や暮らしに抜けをつくり、選択性のある自由な住環境に繋がる。土地のポテンシャルを再考し、建売り住宅と同程度の予算で建築することで、日本の郊外住宅地で起きている状況に可能性が拓いていることを示したい。

物件所在地

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