




補足資料








PROJECT MEMBER
本計画は、台湾南部・高雄市の袋小路の突き当たりに位置し、三方を住宅と学校に囲まれた敷地に建つ。唯一の進入路しか持たないこの敷地は、アクセス性、採光、自然換気の面で大きな制約を抱えている。一方で、隣接する学校の運動場に面することで、密集した都市環境では希少な視覚的な開放性が得られ、本計画における最も重要な環境的資源となっている。 計画では、老朽化した2階建て鉄筋コンクリート住宅を、施主の退職後の母親のための軽量鉄骨造住宅へと建て替えるとともに、定期的に帰省する二人の子どものための柔軟な滞在空間を確保している。仮住まい期間を最小限に抑えるため、プレファブリケーション工法を採用し、施工期間の短縮と早期入居を可能にした。 「MOM House(Modularized Open Model)」と名付けられた本計画は、反復する鉄骨グリッドモジュールによって構成される拡張可能な構造フレームとして構想されている。固定的な建築形式ではなくオープンシステムとして設計されており、段階的な増築や空間の再構成を通して住まい方の変化に対応するとともに、製作効率の向上、現場施工の簡略化、そして長期的な適応性の向上を実現している。 住宅は母親の日常生活を中心に計画され、主要な居住空間は1階に配置され、2匹の愛犬と共有する中庭へ直接つながる。子どもたちのゲストルームはトップライトを備えた上階に配置され、その間には家族ラウンジと共用テラスを設け、隣接する運動場への開放的な眺望を確保している。この垂直方向の空間構成により、敷地の制約を光、開放性、そして家族の交流を促す機会へと転換している。 プロトタイプは、直線状に配置された8つの鉄骨グリッドモジュールから構成され、その途中に意図的に不規則な1スパンを挿入している。この制御された変位は、構造システムのテクトニックな表現を強調すると同時に、雨水を庭へ導く排水機能を担い、さらに将来の増築に対応する接合部としても機能する。環境インフラを構造フレームに統合することで、設備を隠された技術としてではなく、建築言語そのものに組み込んでいる。 構造グリッドは外皮へと連続し、建物はプレファブ化されたマット仕上げのアルミニウムパネルで覆われている。モジュール化されたファサードは構法の論理を明確に示すとともに、高い施工効率と将来的な交換の容易さを実現する。控えめな反射性をもつ外装は、光や植栽、周辺環境の変化を映し込みながら建物の存在感を柔らげ、独自の建築的アイデンティティを保っている。
