




補足資料




PROJECT MEMBER
CREDIT
- 撮影
- 小川重雄
- 設計
- aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所
- 担当者
- ヨコミゾマコト / 伊藤幹* / 松浦実生 / 森田哲平* / 岡田一生 / 肖周祺 / *元所員
- 施工
- 鉄建・隂山建設・王子特定建設工事共同企業体 / 高柳電設工業 / セコムエンジ・内藤特定建設工事共同企業体 / 昭和建設工業
- 構造設計
- Arup
- 共同設計者1
- 鈴木伸幸建築事務所
- 設計協力1
- 岸本吉正
- 設計協力2
- 岡安泉照明設計事務所/照明
- 設計協力3
- 藤森泰司アトリエ/家具
- 設計協力4
- ダイアグラム/サイン
- 設計協力5
- ノムラアークス/サイン
- 設計協力6
- 明野設備研究所/防火
- 設計協力7
- ヒュマス/外構
- 設計協力8
- 郡山測量設計社/外構
- 設計協力9
- 合設計/積算
- 設計協力10
- ティーディーシー/省エネ
- 設計協力11
- インフォ・ラウンジ/情報環境
私たちは、郡山市の歴史や地域性を手掛かりにした。計画地に吹く卓越風、郡山の微地形、そして敷地周辺の風景に着目した。まず、卓越風である。冬には奥羽山脈から吹き下ろす厳しい西風、夏には阿武隈川に沿って北上する涼しい南風。その風環境が、西に閉じ、東に開き、南北に長いプロポーションと屋根形状を導き、さらに建物を敷地の西側へ寄せて配置することを決定づけた。次に、郡山の微地形である。郡山は、猪苗代湖を水源とする安積疏水の整備によって明治以降大きく発展した。しかし、その整備以前から、水不足を補うために数多くの溜池が築かれていた。安積疏水の分水路として整備された南川渓谷も含め、洪積台地に人の手によってつくられた溜池や渓谷の微地形は、今ではまちの景観に潤いを与え、人々の憩いの場となっている。フラットな台地に刻まれた溜池や渓谷のイメージが、大屋根の下にルーム、テラス、デッキが折り重なる空間構成を導いた。三つ目は、敷地周辺の風景である。計画地は、かつて「東洋一」と呼ばれた国鉄時代の操車場であった。その規模は縮小されたものの、現在もJR貨物の車両基地として車両整備場が建ち並んでいる。そこに見られる即物的な屋根形状や素っ気ない仕上げは、住宅街や商店街とは異なるインダストリアル・ヴァナキュラーとでも呼びたくなる風景をつくり出している。その風景から私たちが思い描いた建築は、異なる形・素材・スケールを併置し、それらの関係によって建築全体を成立させようとするものである。卓越風が建築のプロポーションと配置を決め、微地形が空間構成を導き、周辺の風景が建築の形態言語を形づくった。それぞれが異なる部位や機能に応じて「素直な形」を取り、それらが一つの建築の中で共存する。それは、単一の論理に統べられた必然性というほど強いものではない。最低限矛盾することなく共存し、相互に干渉し合うことで、新しい何かが生まれるような関係のあり方である。われわれが求めたのは、単に見た目の統一性を追求し、すべてを同じ原理で揃えることではない。むしろ、異なる必然性を矛盾なく束ね、一つの建築として成立させることである。それは、「統合性」と「構築された誠実性」とでも呼ぶべき態度とのあいだに生まれる緊張関係である。
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