
傾斜のある古くからある分譲地に建つ家。 周囲は住宅に囲まれており、いかにプライバシーを保ちながら、 開放的な空間を創ることができるかを目指した。 クライアントの夫婦は本をこよなく愛しておりその本たちと共に暮らせる家を、そして室内室外を問わず開放的にすごせる空間を、外観に関してはどことなく和なイメージを希望していた。 そこでファサードにはほぼ窓は設けず、 山採りの松の木をメインツリーのに採用。 外壁は、神社仏閣の屋根に使用される一文字葺きの葺き方を壁に採用。 銅ではなくガルバリウム鋼板の一文字葺きとした。一般的に和のイメージは下屋根があり化粧柱の瓦屋根をイメージするが、前にも述べたような神社仏閣などの材料をイメージさせることにより、新しく解釈をした和がイメージできた。 私はあまり好きな言葉ではないが、「和風」や「洋風」の一般的なイメージを建築家自ら、解釈を変えていくことにより可能性が広がるように思う。 ( 殿村明彦 )