
20-30代の働く女性をメインターゲットに、首都圏を軸に商業施設を運営している株式会社ルミネ。部門間や現場とのコミュニケーション活性化を促し、社員が柔軟に発想しクリエイティブな業務に注力できる環境の構築と、働き方の改革を踏まえた業務効率化を目的とした、20年振りの大規模なリニューアルを実施した。部門間の横断的なコミュニケーション不足という問題に対しては、物理的な境界を排除し、多目的に利用できるフレキシブルな共有スペース"キャンプファイヤー"をオフィスのハブとして中心に配置した。また、ドリンクスタンドやプリントステーションを隣接させ、偶発的なコミュニケーションを誘発し、Activity Based Workingを促すゾーニングとしている。 キャンプファイヤーには複合的に機能を内包させている。最新のトレンドや情報を取得できるニューススタンドやライブラリーを設けるとともに、企画の着想や深掘りのヒントが得られるよう、社員向けのセミナーやワークショップの開催を想定したレイアウト・設備とした。ルミネの理念でもある、「お客さまの思いの先をよみ、期待の先をみたす」ための知見を深め、発想の刺激を得ることが出来るエリアとなっている。 オフィスの意匠面は、「POP」「CULTURE」「INTELLIGENCE」の三つのテーマを空間に表現した。TOKYOの今を映す「POP」は家具や植栽のミックス感やファッション性で表現し、感性に訴えかけ何かを考えるきっかけをつくる「CULTURE」は、現代アートを効果的に配置するとともに働く人々の個性を引き出すことで表現している。社会的な存在であることを印象付け、企業としての信頼感を醸成する「INTELLIGENCE」は、クリーンでミニマルなベースデザインと、上質感ある素材で表現している。 株式会社ルミネのオフィスは、トレンド性だけを意識したデザインではなく、様々なユーザーや企業の個性を引き出す存在であるからこそ、一歩引いた立ち位置での、普遍的でニュートラルなデザインを目指した。働く個々の自然体を引き出し、一人一人の個性を際立たせるデザインとなっている。