
夫婦2人と犬で構成されるご家族の為の改修計画。既存の建物の架構・木質仕上げを生かしながら、木の持つ温かさを繊細な格子として内外に付加することで既存家屋の継承と新たな空間の創出の両立を実現させた。屋外に関しては、格子を付加することで、サッシの存在感を消すと共に、直射日光を避け日射量のコントロールが可能となる。通風・視界も確保し、セキュリティとしての役割も果たしている。格子を設けることで、室内からの眺望は確保しつつ、隣地からの視線は避けることができるような計画としている。また、外部に付加している格子戸を開閉することで、表情の変化を楽しむことが出来る住宅となった。室内に関しては、子供も自立し、ご夫婦2人となったため、極力、不要な界壁、欄間を撤去し、広々とした開放的な空間の中で生活をしたいとの要望があったため、LD、寝室も壁を撤去しワンルームの開放的な空間とした。また、既存敷居も全て撤去することで、段差のないバリアフリーの空間とした。仕上げに関しては、温かみのある自然素材を積極的に採用した。床材にはフローリング、コルクタイルを使用し、歩行性や断熱性を考慮し、ペットに対しても快適な空間とすることが出来た。外装に使用した格子はインテリアにも使用しており、エアコンの目隠し、寝室のパーティション等、意匠性と機能性を兼ね備えることが出来た。 内外に格子をふんだんに使用することで、木質感を強く感じることの出来る空間を実現した。木を格子の隙間からは木漏れ日のような光が降りそそぎ、自然に包み込まれたような暖かな居住空間を生み出すことが出来た。
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