
1890年、東山の麓でウェスティン都ホテル京都の歴史は始まった。伝統に改革を加え、時代に呼応しながら歩み続けた歴史あるホテルである。創業100周年時には記念事業として全館リニューアルを実施した。その際に建設した新館は建築家・村野藤吾の最後の設計でもある。2002年から「ウェスティン都ホテル京都」と改称し、世界に通用する国際ホテルとしてクオリティを高めてきた。そして2020年、創業130年の節目を迎えるにあたり、京都を代表するラグジュアリーホテルへの大規模リニューアルを実施した。 デザインコンセプト「The Queen of Elegance(ザ・クイーン オブ エレガンス)」を基に、東館、本館共に木の風合いを取り入れるなど京都・東山の自然をイメージした造りとし、意匠の曲線美で優美さ、柔らかさを表現している。 東館客室は、京都の夏の風物詩である川床をイメージしたカーペットや梅の花を模したスツールなど、京都らしさを感じられるデザインとして落ち着いた空間になっている。 本館客室は、南禅寺の新緑と水路閣の水道橋のテラコッタ色をテーマカラーに、明治から昭和初期の南禅寺界隈の別邸を意識したエレガントモダン(大正ロマン)な空間を演出した。 499室あった客室を266室へと減少させ、一部屋の平均面積を約35㎡から約50㎡へと拡充することにより、スイートルーム中心のラグジュアリーな空間を実現している。 また、リニューアルした全室のバスルームは、独立した洗い場を設けゆとりあるスペースを確保した。 このリニューアルで、世界でも名高く競合の激しい観光地京都においてラグジュアリーホテルとしての地位を確立し、名実ともにQueenの座に君臨するようなエレガントなホテルとなる。