
中央区、日本橋にあるアパレルブランドMOONRAKERSのショールームデザイン。ショールーム特有のサイズやカラーバリエーションなど在庫含めた商品数を大量に確保するという通常の商品陳列とストックで分けるアパレルショップとは異なる要件からスタートした。大量の商品数を確保する為に旗竿の敷地を左右に分け、半分を可動ラック兼ストックとし、半分を商品陳列と動線空間とする事で奥行きを生かした計画とした。可動ラックをストック兼用とする事で大量の商品数を確保する事が可能になり、ラックを引き出せば商品のサイズやカラーバリエーションが確認できる様に収納とショールームに求められる必要な機能を実現した。ショールームがクローズしている時は可動ラックを引き出しておく事でラック自体がショップのウィンドウディスプレイの役割を果たす様に計画。同時にエンプティな状態でもブランドコンセプトである”Technology & Craftmanship”を体現できる様に素材には既製のスチールラックと籐、側溝蓋と真鍮、左官と無機質な照明など、質感も背景も異なる物を組み合わせ、単なる対比ではない、調和を持たせる事でこれまでに無い使い方や、発見と気づきを持たせている。本質的なテクノロジーやクラフトマンシップとは、これまでを見直したり掛け合わせたりする事で新しい価値観を発見、創造し挑戦し続ける事ではないかと思い、その様な考え方や物事の捉え方を体感、受け取ってもらえる様な空間とした。