トラスコ・リゾート&スパ軽井沢

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昭和初期にあった新渡戸稲造の別荘跡地に建つ企業保養施設であるこの建物は、古からそのまま残る背後の豊かな森と、建物前面に新たに再現した静寂な苔庭の対比する2つの原風景に対し、開き・囲むような配置とし、施設各室開口部から四季の表情を引き込み、くつろぎながら外部空間と呼応・対話する森のリゾートを目指した。 インテリア素材は、外部風景を借景とし、内部空間でありながらも外部と連続、自然の風合いを感じ、原風景と人の手によるモノづくりとの調和を狙った。 職人によるハンドメイドの柔らかさを感じさせるオーダーメイド焼き物タイルや砂壁状塗材(ジョリパット)を壁材料のメインとし、人が触れる部分においては、木目や節の風合いを出すメラミン化粧板と杉小幅板打放しコンクリートとを融合、古木材の風合いを出す抗ウイルスメラミン化粧板のウイルテクトをドアハンドルや階段手摺に採用し、錆の風合いを出すラミナムワークトップのアイランドキッチン天板が木の存在感を際立たせる。 原風景と呼応する空間の中で、素材の表情、人の手による温もり感、時代が求める機能性が融合する。