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所在地:東京都 設計:T2Pアーキテクツ株式会社 1990年の創業以来、LTO(データ保存磁気テープ)を扱う企業が、創業者の代替わりを契機に既存社屋を本社として改修する。既存の機械式駐車場空間を、顧客向けの展示や社員同士の交流空間に転用し、新たなファサードとともに会社の顔としてデザインした。 磁気テープの曲線を連想するドレープ状の金属メッシュで既存外壁を覆い、新旧要素の重なる外観が「街の記憶」を継承する。会社ロゴの「Ⅹ」字をモチーフにした1階引戸は、使い方に応じ開閉することで街と内部空間とが交感する。木のイメージと、建具の軽さや耐久性を両立するため、「Ⅹ」字を木目調のシート貼りとし、企業のアイコンとした。 屋外サインにも同シートを用いて連続感を生んでいる。 内部は、機械式駐車場であった大空間を活かし、吹抜を介して地下の閉鎖感を感じさせない一体的な交流空間とした。白が基調の空間に変化をもたらす木目調のニッチ空間は、壁面・天井・建具と部位は異なりながらも、同じ柄のシート・化粧板を用いることで、一体感と温かみのある空間をつくりあげた。 適材適所の材料選択で、既存の骨格に新たな要素を重ね合せ、社が掲げる温故知新の精神を体現した。