所在地:愛知県 設計:株式会社小堀哲夫建築設計事務所 用途:学校・教育施設 竣工:2025年3月 工事種別:新築 採用商品:ジョリパット不燃 自然光をやわらかく拡散し、光を滲ませる創造的空間 谷戸と呼ばれる谷状地形をモチーフに、緩やかに湾曲した広場の下に大きな地下空間を抱え込む構成とした。地上と地下が有機的に連続し、人の流れや視線が自然と交差する。立場や分野の垣根を越え、賑やかな熱気を感じさせる創造的な空間を目指して計画した。中央パサージュに浮かぶ1階壁面の仕上げにはリシンを採用している。この壁は空間の印象を決定づける象徴的な要素であり、単なる「光を反射する面」ではなく、「光を受け止め、滲ませる存在」として構想した。リシンが持つ繊細な凹凸は、自然光を均一に跳ね返すのではなく、やわらかく拡散させる。そのため、時間帯や天候の移ろいに応じて壁面はほのかに表情を変え、光の揺らぎが空間に静かな奥行きと落ち着きをもたらしている。過度な明るさや人工的な均質さを避け、身体感覚に寄り添う陰影を生み出す装置として機能しているのである。さらに、リシン特有のわずかな「むら」や粒立ちは、工業製品的な完全性から距離を取り、手仕事の痕跡や素材感を壁面に留める。それにより、壁を単なる仕上げ材から、風景の一部として空間に立ち現れる存在へと昇華させている。