五島つばき蒸留所

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TECTURE AWARD 2025 スポンサー(AICA)賞 所在地:長崎県 設計:WANKARASHIN 用途:工場・倉庫 竣工:2023年5月 工事種別:新築 採用商品:モイスNT内装材(素板)、アイカピュール耐熱 設計コンセプト抜粋 五島列島福江島の小さな集落に、この地域のボタニカルを使用したクラフトジンの蒸溜所をつくるプロジェクト。第一期工事では生産の拠点である蒸溜所の母屋をつくり、第二期工事では倉庫を増築した上で蒸溜スペースを拡張した。蒸溜スペースには巨大な蒸留器やたくさんのタンクを収容する必要があり、柱のない気積の大きな空間が求められた。そこで、現場に搬入可能な小径材を挟み梁のようにしてアーチ状に現場で組み立てることで、プレカット工場のない島内において、できるだけ地元建材を用いながらも天井高の高い無柱空間をつくることを実現した。 設計より採用理由とコメント 五島つばき蒸溜所は離島の小さな集落でのプロジェクトであったため、可能な限り現地で調達できる素材を用いるように心がけた。しかし蒸溜所という用途の特性上、どうしても機能性を重視して工業製品を用いている箇所もあり、その際に他の自然素材などと違和感なく馴染み、一体的な空間性をつくれるような素材を選定した。 ・アイカピュール耐熱 / M7工法 蒸溜所の要である蒸溜室の床には、耐熱性や耐薬品性に加え、可動タンクの重量への耐久性が求められた。ピュール耐熱は機能性を満たすとともに、左官に近い仕上がりや素材感を持っているため、木のアーチ架構や壁面ともよく馴染むと考えて採用した。また短期間での施工が可能であるため、工期の短縮にもつなげることができた。 ・モイスNT内装材(素板) 敷地は海の近くであったため、塩害や湿度の問題を解決する必要があり、モイスは耐火性だけでなく調湿機能も備えているため、梅雨の時期でも快適な作業環境を実現することができると考えて採用した。また曲げ加工も可能であるためアーチ型の開口部にも用いており、蒸溜室の木架構との連続性もつくることができた。 審査講評 本計画が「離島の集落で可能な限り現地調達材を用いながら、用途上不可避な工業製品も空間の一体性を損なわずに組み込む」という明確な思想のもとに進められた点を、大変意義深く感じた。 機能要求の厳しい蒸溜所という用途に対し、当社製品の性能と意匠適性、施工性がそれぞれ適所で活かされ、自然素材中心の空間に過不足なく溶け込むかたちで一体的な建築が実現されている。地域性への配慮と生産環境の合理性を両立させた設計・施工の判断に、メーカーとして敬意を表する。