縦リブと薄型タイルの潮流 | TILE TREND COLUMN

【タイルで表現する縦のリズム―「キスト」】 “縦の意匠”の一つであるフルーテッド(縦リブ)は、表面に刻まれた浅い溝が光を細やかに受け止め、壁面に柔らかな陰影を作り出します。この縦方向のデザインは、視線を自然と上方へ導き、天井を高く感じさせる──そんな“小さな良い変化”をもたらし、空間全体の印象を鮮やかに変えてくれます。そこには、西洋的な「威厳」と、日本建築が大切にしてきた「透過性」や「境界の曖昧さ」という異なる文化背景が融合しており、現代のジャパンディスタイルとも深く共鳴しています。特にタイルでこの直線を表現すると、面全体の表情が整い、豊かな質感と静寂を併せ持つ洗練された演出が可能になります。こうした伝統的な意匠への回帰は、現代の住まいに安らぎを与える重要な潮流として、住宅設備のディテールにまで広く浸透しています。 ■キスト(445×46.5角) これまでにない大型でスレンダーな形状が斬新なイメージのシリーズ。エクスポーズドブリックに着想を得たデザインで、ブルックリンスタイルやインダストリアルスタイルの空間演出に最適なマテリアルです。ヴィンテージ感たっぷりのスモーキーな色調も魅力です。 _________________________________________________________________________________________ 【タイルの薄型・軽量化―「ソッティレッツァ」】 「サステナビリティ」は、もはや一過性のトレンドではなく、建材選定における根本的な価値観の転換を意味します。意匠の美しさだけでなく、ライフサイクルを通じた環境負荷の低減が、これからのタイルの新基準です。その思想を具現化した「ソッティレッツァ」は、技術革新により6mmという薄さと軽量化を両立。1200×600mmや600×300mmの展開は、運搬時のCO2削減や物流効率を飛躍的に向上させます。さらに、建物の躯体への荷重を抑えることで構造の自由度も向上。環境負荷低減と機能性を高度に両立させた、次世代のスタンダードです。 ■ソッティレッツァ(1200×600角・600×300角) マットで落ち着いたセメントテイストのテクスチュアとカラーが、クールになりすぎないミニマルな美しさを表現しています。ウォームグレーは住空間に自然に溶け込み、クールグレーは商業空間に品格を与え、グレージュは自然素材との調和を生み出します。