【小ぶりなサイズへの回帰】 2025年のCERSAIE(チェルサイエ)では、タイルのスケールに関して興味深い二極化が見られました。3000×1500mmを超えるスラブや1200mm角などの大判タイルが例年通り数多く発表される一方で、300角以下の小ぶりなサイズも再び存在感を放ち始めていました。20世紀後半以降、建築のスケールは拡大し続け、それに伴って内装のモジュールも大型化してきました。1200mm角、900mm角、600mm角といった大判タイルがいまや標準となり、継ぎ目の少ないシームレスな面は現代的で美しい表現として定着しています。しかしその一方で、均質で整いすぎた空間にどこか落ち着かなさを感じる人も増えてきました。人や自然とのつながりに価値観が見出される今、求められているのは完璧に整った空間ではなく、整然とした中にほんの少しのリズムや温もりが息づく空間なのかもしれません。この流れの中で再評価されているのが、チェッカーパターン(市松模様)です。白と黒の強いコントラストに限らず、トーンを抑えたカラーの組み合わせや、複数色で幾何学パターンをつくる構成が増えています。日本では市松模様として、海外ではチェスボードとして普遍的に愛されてきました。 【赤系大理石「ロッソ・レヴァント」が再び選ばれている理由】 ここ数年、インテリアの潮流では赤系大理石の存在感が際立っています。なかでもロッソ・レヴァントに代表される深みのある赤は、2023年頃から建築・インテリアの双方で採用事例が増え、2026年に向けてひとつの定着した選択肢として受け入れられつつあります。これは単なる色の流行というよりも、空間の重心をどこに置くかという感覚の変化と関係しています。ここ数年トレンドのホワイトやグレー、ベージュといったニュートラルカラーを基調とした空間は、軽やかで整った印象を与える一方で、均質になりやすい側面もありました。そこに赤系大理石が加わることで空間は引き締まり、安定感が生まれます。現在、ロッソ・レヴァントは全面に大胆に使われるよりも、床や壁の一部、パターンの中に組み込むことで空間全体を調和させる素材として再評価されています。 ロッソ・レヴァントが現代の建築において存在感を与える使い方のひとつが、チェッカーパターンです。赤という色は単体では存在感が強くなりがちですが、ホワイトやベージュ系と交互に配置することで印象は大きく変わります。チェッカーパターンは色が均等に分配され、視線を一点に集中させないため、ロッソ・レヴァントのように表情の強い素材でも過剰な印象になりすぎないのが利点です。むしろ反復の中で赤がリズムとして機能し、空間に深みと記憶点を生み出します。この“強い素材を構造の中に収める”という考え方は、前述した建築家たちが示してきた思考と通じるものがあります。 ■ウニヴェルサーレ(600角・300角) イタリア語で“普遍的な”を意味する名の通り、小ぶりなサイズと大理石デザインが持つ、時代を超えた普遍性を表現しています。大理石のタイムレスな美しさを600mm角と300mm角の正方形で展開し、クラシックからコンテンポラリーまであらゆる空間に対応する汎用性の高いシリーズです。また、「ウニヴェルサーレ」の0680はロッソ・レヴァントをモチーフにした色とデザインです。300mm角サイズが赤の印象を強調しすぎず、空間に自然に馴染むため、赤系大理石をバランスよく取り入れられる使いやすいシリーズです。