おーがすと・らっしゅ

北海道東部の釧路市に計画した夏の別荘である。 敷地の半分以上が崖条例で建築が難しい敷地である。 それでも、クライアントは海を望むロケーションに惚れ購入した。 敷地に何度も通い、敷地から海を見渡した時に、太平洋が最も綺麗に望める方角を検討し建物の配置を決めた。 海に面した南側外壁は、浴室も含めほとんどを開口部とした。 間取りの構成はカラーガラスブロックから光が入るダイニング、 一体空間とした洗面脱衣室と浴室、2階の寝室とシンプルに構成した。 浴室の浴槽は床に埋め込み、お湯に浸かった時の目線からは水平線のみが見える仕掛けを考えた。 この場所に合う色や素材をクライアントと共に考え、選定した外壁材や内部のタイル、大理石、キッチン機器など、 ひとつひとつの建材に思いが詰まった非日常の「夏の家」である。 クライアントは年に数日、2階の寝室から水平線を眺めながら非日常のひと時を過ごしている。