北鎌倉のぼうし屋根の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 設計
    邸宅巣箱 / ULTRA STUDIO
  • 担当者
    早坂直貴 / 斧田裕太
  • 施工
    石和建設
  • 構造設計
    OAK plus
  • 撮影
    長谷川健太

 東京郊外は北鎌倉の山の上に建てられた小住宅である。  この土地特有の六国見山への雄大な眺望と、頭上に延びる青空の広がり。ここに在るべき住宅として、豊かな環境を切り取る2つの窓を持たせることを考えた。それらは互いに全く異なる形式ながら、それぞれがこの環境のある特長的な側面を増長させる装置である。  まずそのひとつ目は、矩形ワンルームの一辺に設けた6M超えの大きな水平窓である。六国見山の連なりを巨大な絵画のようにフレーミングし、この環境の雄大さをドラマティックに映し出す。この窓は屋外環境を室内から見渡す装置である。  そしてふたつ目は、寄棟屋根の中心に穿った天窓である。寄棟屋根の頂点は煙突のように立ち上げられているため、日射はその筒内でバウンドし、柔らかく濾過された光が室内に届く。その光は季節、天候、時間によって変容し、この環境の多様性を知らせてくれる。この窓は屋外環境を室内にもたらす装置である。  この「外部環境を眺める窓」と「外部環境をもたらす窓」という2つの窓の対比。それは、前者の属するワンルームの白い無柱空間と、後者の属する木で仕上げた軽い勾配屋根という、空間エレメント自体の対比によって、いっそうクリアになる。  この小住宅は、環境を切り取る2つの窓によって、その豊かな環境をドラマティックに映し出す器となる。

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