G735 Gallery

ビルディングタイプ
ギャラリー

DATA

CREDIT

  • 設計
    TA+A
  • 担当者
    伊原 慶
  • 施工
    A、B工事:株式会社竹中工務店 C工事:株式会社四五コーポレーション​
  • 撮影
    志摩大輔

“ここならでは”を体現する「GINZAマップ」 従来の車の売買仲介システムからお客様を直接結びつけ売買を行う新しい形態へ進化を遂げた銀座7丁目の輸入車のギャラリーの計画である。外堀通りの角地で築50年以上歴史のあるビルディングの一階で全長55mが街路に面する空間が対象となった。車のギャラリーとしての使用以外に海外旅行客や地方からの来訪者を想定した日本の文化やアートにふれるイベントを定期開催することと、レンタルスペースとして貸し出しができることが与条件として設定されたため、がらんどうの空間が都市の中でどのように魅力を表出するかがテーマとなった銀座1丁目から8丁目までの「銀座の縮図」をS:1/43のミニチュアカーのスケールで描いた「GINZA MAP」を展示エリアの床全体に敷設し、1/1スケールの実車と銀座の縮図を併置した「ここならでは」を体験できる空間である。プレキャストコンクリートでできた600角の床版を1400枚使用し、それらは硬化遅延材を施したシートを用いて打設を行うことにより、硬化してできたコンクリート面が地図の図柄を構成している。また硬化していない部位は水洗いを行い基材を露出させることで地を形成している。この場所が、街路、車道、そして街へ、銀座の街路空間にシームレスにつながることを意図した。 ​ 外装に鏡面磨きのブラックステンレスのサッシを採用し檜木ルーバーをバックパネルに象眼した。内部天井にそれらを貫入することで、ギャラリーの全景が「大きな木箱」として見えることを表現した。木箱に格納された車の群れが光を放つことにより街を歩く歩行者の期待感を誘発する。直天井の梁部分に間接照明を兼用したアルミボックスを設え、車体を直接照らすスポットライト以外のベース照度をすべて間接照明により確保している。海外旅行者が多く訪れることから、日本文化やアートにふれる展示空間として、琉球畳の茶室空間と玉砂利に浮かぶ漆のハイライトステージを併置した。既存建物でも法規の制約から解き放たれた自由な空間を獲得するため、階避難安全検証により高さ3.6mの直天井で間仕切りにより小割りせず一体利用ができ排煙窓のない外装を持つ空間を実現した。新旧の歴史が交差する銀座の街並を今後も柔らかく彩ることを期待している。

物件所在地