
PROJECT MEMBER
都市型の自動車ショールームの計画である。敷地の西側は大通りに面しており、建蔽率100%の敷地を最大限に活用しながら、ゆとりをもって都市に開くことを考えた。限られた敷地の中で整備工場の充実を図ると、ショールームは上階に配置され、来店のハードルの高さが懸念された。車検での来店も多い事や、既に新車の情報を集めて来店される方が多いという事からも、建築によって展示車両を見に来る以上の体験を作り出せないかという事を考えた。南西角の最も訴求効果の高いエリアには、開放的なエントランスホールを設け、吹抜けをつくり上階とつながることで、ショールームの様子や緑化テラスの緑を感じられるようにした。吹抜けの中央では存在感のある木質の階段が特別感を演出し、ショールームへ誘導する。ショールームは開放的でありながらも、木やクライマテリアといった素材感のある仕上げとすることで温かみを感じられる空間とした。緑化テラスの緑は店内に癒しをもたらし、大通りを行き交う人々を楽しませる。外壁にはジョリパット(エンシェントブリック)や、ハンドメイドタイルなど質感と耐久性を備えた材料を使用することで、長く人々に親しまれる外観を目指した。