




主に画材倉庫として使用されていた建物を、在宅クリニックの診療所とオフィスに改修するプロジェクトである。 1階には外来診療用の診察室等、2階には在宅診療の受付などを行う事務スペース、3階にはスタッフの休憩室を計画した。 静かな住宅街にあり、敷地の向かいには緑道と公園が広がる一方、新築当初の用途上、建物には開口が最低限しか空いておらず、室内には自然光、通風を取り入れづらい状態であった。公園が広がる東面に対しても、せっかくの眺望を取り込むことができず、ファサードも閉鎖的な印象を与えていた。 そこで、改修によって最大限外部環境を取り込み、訪れる人や働くスタッフに明るく快適な空間を提供し、地域住民にも親しみやすい建物として生まれ変わらせることを考えた。 まず、公園側の外壁のALCパネルをカットし、アルミサッシを外付けした。事務スペースには階段室を介して自然光や緑を取り込み、休憩室は公園の緑を眺めながらリフレッシュできる開放的な空間となった。そして、以前の閉鎖的なファサードから、内部の様子が外部に伝わり、灯りが街並みを照らす建物へと変化した。 また、以前は無機質な印象であった室内は、訪れる患者さんやスタッフが木の温もりを感じられる空間へと生まれ変わらせることを考えた。ビニールクロスが張られていた内壁はOSBボードを増し張りし、外来診療を行う1階は各スペースを家型の木の軸組で緩やかに仕切ることで、窮屈さを軽減し、街並みとの連続性を感じさせる温かみのあるつくりとした。 このクリニックは24時間365日診療を受け付けており、日々地域住民の健康や、在宅医療によるまちづくりに尽力されている。建物がクリニックと共に地域に長く親しまれ、地域医療を支えていくことを望む。

