Villa-M in Karuizawa

ビルディングタイプ
別荘

DATA

  • ビルディングタイプ
    別荘
  • 構造
    木造
  • 工事種別
    新築
  • 延べ床面積
    125.16㎡
  • 竣工
    2023-10

CREDIT

  • 撮影
    淺川 敏
  • 設計
    設計組織アモルフ
  • 担当者
    竹山聖 / 上村康人
  • 構造設計
    ジャスト

国道18号線から千ヶ滝の方向に上って行き、いわゆる1000メートル道路(海抜1000メートルの位置を走っている)をさらに奥に入った別荘地にたつ別荘である。 この別荘地は、基本的にグリッド状に規則正しく区画されていて、豊かな緑に恵まれ、樹影も濃く境界を明示する障壁もないため、各々の別荘は自然の中に包みこまれるように佇んでいる。敷地には背の高いカラマツが林立し、道路沿いには秋にみごとな紅葉を見せる大きなカエデがいくつか植わっていて、建物をやさしく隠してくれる。 敷地の地形は、北側のアプローチ道路から南に向けて、緩やかに傾斜している。そこに地面から少し浮かせて生活の場をつくることにした。 湿度の高い軽井沢の大地から一旦縁を切るために、そして、心地よい光と風をエンジョイするために。 四季折々の風景を取り込みながら、この建築が周囲の風景になじみ、溶けこんでいくように、南側は大きく開放されている。そしてそこに、庭とも滑らかにつながるようにテラスが張り出される。 活動的でスポーツ好きなオーナーが、ここを拠点にしてゴルフに出かけスキーを楽しむ。夏の避暑地としての軽井沢のみならず、春の新緑や秋の紅葉を味わい、友人を招いてバーベキューをし、あるいは静かに思索に耽ることもできるよう、豊かな環境づくりを心がけた。もちろん冬も快適に過ごせるように工夫した。暖かな室内から見る透明な雨氷の美しさは比類がないという。 中央にはロフトをもち、暖炉のある、天井の高いメインスペースがあり、これを挟むようにメインベッドルームとゲストルームが置かれている。これらのスペースを、浮遊するヒノキ貼り天井の屋根が、抱きかかえるように包んでいる。 道路の走る方向と、地形の傾斜する方向が少しずれているので、道路の軸と地形の傾斜の軸に合わせた二つの平面系が重ね合わされている。屋根もまたこれに呼応して、広がりのある形を切断した、未完結な形となっている。あたかも空を切り取るように、そして内部空間を包みこむように、さらには外部空間に向かってのびやかに広がるように。 建築設計の仕事を始めて以来、いつも心がけ、めざしもしていることなのだが、このような未完結な形こそが余白と余韻をもたらしてくれる。 建築はそれ自体で完結する形態で閉じてしまうものでなく、周囲のコンテクストと応答を繰り返し、敏感に反応し、感応もする装置だ、と考えているからだ。 浮遊する折れた屋根は宙を走る。外と内を結び、自然を呼吸する。風景に開かれた透明な場が現れる。 大地に属する場所と天に属する場所の対比。かねてから追求してきた「天と地の対位法」である。

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