




補足資料




「都心の木密地域に町家を立ち上げる」 東京都神楽坂に建つ、設計者夫婦の自邸。都心の木密住宅地においても豊かな光風を感じながら生活できる、塔状の木造住宅を計画した。 計画敷地の成り立ちを調べると、江戸時代に武家屋敷として間口の狭い町家が整備され、時代を経て土地の細分化を繰り返し、現在の地割が形成されたことが分かった。10坪程度の狭小地において窮屈さを感じない家を模索する中、町家を立ち上げるイメージで高さ方向に奥行きを深く取る建物構成が思い浮かんだ。 部屋ではなくフロアごとに機能を分け、下階から上階へ向けてパブリックな用途からプライベートな用途に移り変わる計画として、段階的に機能を配置した。それにより用途ごとの適度な距離感が生まれるため間仕切り壁は設けず、各階で吹抜けを共有しつつ全体を繋ぐ構成とした。 前面道路に面する居間上部の吹抜けと最上階の風呂には植栽と共に大きな窓を設け、自然光が居室で得られるように計画している。外部には奥行き最大800mmの袖壁を設け、西日の遮蔽と南西からの卓越風の取り込みを行う環境装置として機能させている。 構造は長手方向外壁面に強固なトラス架構、建物中央に二重壁を設け、将来の増床も見据えた自由な床配置を実現している。 各階・内外が適度な距離感で繋がり、光や風の変化で時間の流れを感じる、大らかな住まいを目指した。