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森下建築総研

設計者とは、請負の基に成立する職業です。即ち、クライアントあっての私でないといけません。何を提供でき、如何にしてクライアントの利益を守ることができるか常に考えるべきでしょう。決して迎合するという意味ではなく自立した職能として、完成後の建物の姿を見越し、クライアントに提言します。 完成の喜びを建築主と分かり合えた時、はじめて信頼と満足を得ることができたと言えるでしょう。 同時に建築はクライアントだけのものでもなく、ある環境の中に、又、時間軸の中に存在し続ける以上、社会ストックとしての責任を負ったものでもあります。次の時代を見据え、風化すること無くその場に存在しうる建築を創っていきたいと考えます。出来上がった建築とはそれを創ることに専念した人々の一つの答ですが、それは特定解ではなく、幾千通りの中から抽出された偶然とも言えるでしょう。唯、その偶然はそれを創る者の確信と信念に裏打ちされた物でないといけません。