加藤 直樹 | カトウ ナオキ 1986 神奈川県生まれ 2006 町田デザイン専門学校 | 建築デザイン科卒業 2007-2012 有限会社高橋貢住環境設計事務所勤務 2012-2014 桑原茂建築設計事務所勤務 2014 N.A.O|ナオ 一級建築士事務所設立 住宅設計をする上で大切にしている考えが2つあります。 1つ目は『〝必然性〟を許容する』という考えです。 住宅は、人が生活を営むことを前提とした建築です。生活感が出ることや汚れや傷がつくことは必然的なことであり、住宅は、それらの必然性をポジティブに許容できる建築であった方が本質的だと考えています。 2つ目は『〝変化〟を前提とする』という考えです。 住宅では、家族構成、必要室の変化等の長期的なスパンの変化。想定、使用方法の変化等の短期的なスパンの変化。様々な変化が予測されます。竣工が完成ではなく、必要とされる構成や価値観等は絶えず変化し続けるため、それらに順応できる建築であった方が本質的だと考えています。 その考えに対し主に2つの手法でアプローチしています。 1つ目は『〝要素〟を多く設える』という手法です。 ベースとなる建築側に素材感や色味や露出する構造や手仕事感等の〝要素〟を予め多く設え、プレーンな空間にせず、雑多な空間とすることで、生活を営むことにより必然的に介入してくる生活感や傷や汚れ等の〝要素〟を悪目立ちさせないという手法です。 2つ目は『なるべく〝作り込まない〟』という手法です。 全てを未来予測し、設計段階の机上で決定することは非常に難しいことだと考えています。ですので、決定できることのみを決定し、決定できないことは保留とする。住み始めてから決定したことに対し、手を加えていくことを前提として、なるべく〝作り込まない〟空間とし、様々な変化に順応させやすくするという手法です。 生活を営むことにより必然的に介入してくる生活感や傷や汚れ等を〝許せる〟。家族構成や使用方法や価値観等の変化を〝許せる〟。〝許せるメンタルのためにベースとなる建築側に仕組みをつくること〟を意識しながら住宅設計を行っています。
